Admin

ホテル/宿泊施設の加盟店さまへ:チャージバックから売り上げを守るために

近年、旅行業界において、チャージバックによる損害やクレジットカード不正利用の被害が増えています🚨 ホテル/宿泊施設といったビジネスは、お客さまと直接会わずに予約や決済を行う性質上、チャージバックが発生しやすい傾向にあります。また、予約キャンセルやノーショーによって、思わぬ機会損失に悩まされている加盟店さまも多いのではないでしょうか。

 

コロナ禍という不安定な状況の中、いかに日々の売り上げを守り、チャージバックのリスクを減らし安全な取引を行っていくかが重要です。この記事では、ホテル/宿泊施設を営む加盟店さまを対象に、突然のチャージバックに屈しないための対策をご案内します。

 

Hotel.jpg

 

目次

1. チャージバックとは?

2. チャージバックのリスクを減らすための対策

3. こんなシグナルにも要注意

4. 意識的な心がけが、売り上げを守る第一歩

5. よくある質問

 

1. チャージバックとは?

チャージバックという言葉になじみのない加盟店さまも少なくありません。チャージバックとは、クレジットカード名義人が、身に覚えのない利用請求などがあった際に、カード会社を通じて支払いの取り消し(支払い異議申し立て)を求め、クレジットカード会社がその代金の売上を取消しすることを言います。

 

チャージバックが起こる理由は主に2つあります。

 

なりすまし宿泊客によるクレジットカード情報の不正利用

例えば…

・他人のカード情報を使って予約をする

・鍵などの備品を返却せずにチェックアウトし、補償費用を他人のカードに請求させる

・延泊や追加サービスを要求し、他人のカードで支払う

 

②宿泊客の都合によるものや、取引内容に問題がある場合

例えば…

ノーショー、返金不可プランのキャンセルによる払い戻し要求

・金額の誤りや重複請求

・宿泊客がサービス内容に納得しない場合

 

異議申し立ての内容に加盟店さまが同意されない場合、Squareは加盟店さまの代理としてカード会社に反証を行い、取引の正当性を訴えます。

 

しかしながら、カード会社によりチャージバック成立が決定された場合、加盟店さまにはカード名義人に取引金額を返金する義務が生じます。その結果、せっかくの利益を失うという事態が発生してしまいます。

 

 

2. チャージバックのリスクを減らすための対策

日頃の業務を見直し、不正取引や認識の相違が起こりにくい体制を作りましょう。

非対面の取引では、宿泊客とカード名義人が同一人物であることを常に確認し、万が一チャージバックが起きた際に決済の有効性を証明する資料としてSquareに提出できるよう、身分証明書とともに署名による証拠を残すことが大切です。

 

🔴予約時:

・パスポートなど顔写真付き身分証明書のコピーを依頼する

 

・加盟店さまのノーショーおよびキャンセルポリシーを明確に提示するだけでなく、ノーショーおよびキャンセルポリシーに同意した旨のクレジットカード支払い承諾フォームや同等内容の書面に予約者の署名を受け取る

 

・可能であればクレジットカードの提示を求め、カード名義人と身分証明書の名前が一致していることを確認する

 

・予約者本人所有のメールアドレスの提示を依頼する

 予約サイトによって付与される一時的なメールアドレスでは、十分な本人確認となりません。

 

・旅行代理店による予約の場合は、法律による認可を受けた旅行業者であることを確認する

 悪質な旅行業者による「不正トラベル」と呼ばれる転売行為が起きています。

 

・コロナ禍に特化したキャンセルポリシーを設定する

 新型コロナウイルスの影響によって、予定していた渡航ができずに返金を依頼されるケースがあります。社会情勢を理由としたキャンセルや変更依頼にどのように対応するか、あらかじめポリシーを定め予約時に明示しましょう。その際もカード名義人の署名を得ることが重要です。

 

🔴チェックイン時:

チェックインを非対面で行う宿泊施設が増えていますが、不正回避の観点からは注意が必要です。

・予約時に使用したクレジットカードの提示を求め、カード名義人と身分証明書の名前が一致していることを確認する

 

・クレジットカード支払い承諾フォームにパスポート番号や免許証番号を記入してもらい、顔写真付きの身分証のコピーとともに保管する

 

・可能であれば顔認証チェックインのシステムを導入し、顔写真やパスポート番号、免許証番号などを取得する

 

・備品の破損など、チェックアウト後に追加料金が発生した場合の決済方法をあらかじめ明示し、署名による同意を得る


🔴滞在中:

・通常行っていない特殊なサービスの要求はお断りする(現金での立て替え、プレゼントの代理購入など)

 

🔴チェックアウト時:

・返却が必要な備品がある場合は必ずその場で相互確認する

 

・チェックアウト後に追加料金が発生した場合は、本人確認の上、チェックイン時に定めた決済方法により決済を行う



3. んなシグナルにも要注意

上記の対応に加え、不正な宿泊客によく見られるパターンを知っておきましょう。

 

・間違いの多い英語のメール

スペルミスや文法の誤り

短文を多用した文章

 

・怪しいメールアドレス

でたらめな文字列(例:qgdstnvhx@gmail.com)

見慣れないドメイン名(例:square123@ruru.com )

※詐欺などに利用されやすい「使い捨てアドレス」である可能性

予約者と異なる人物の名前が含まれたアドレス

(例:購入者名が「KENJI TANAKA 」、メールアドレスが「martinbrown@gmail.com」)

 

・不審な名前 

姓名の片方しか提供されない

予約者の名前がカード名義人と異なる
※ホテル/宿泊施設の場合は、代表者が一括して支払いをする場合もあるため、事情を確認しましょう。

 

・緊急性を装ったり、おもてなしの心につけ込んだ要求

「友達が財布を盗まれたので現金を立て替えてほしい」

「彼女の誕生日にサプライズを用意したいから代わりに買っておいてほしい」

(現金や物品を手に入れ、後から他人のカードで代金を返したように見せる手口)

 

・第三者への送金の依頼や、特定の手順の指定

決済金額に上乗せし、その分の現金を「通訳」など第三者へ送るよう要求する

(仲間を使って現金を騙し取るための手口)

決められた決済方法に従わず、自ら支払い方法を指定する

 

 

実際にある事例①:

民泊を運営するAさん。滞在中の宿泊客から「クラブで友達が財布を盗まれた!現金を貸してほしい。後でカードで返す。」と突然のメッセージが来ました。困っているゲストを助けようと、言われた通り部屋に現金10万円を置いておきました。立て替えたお金はすぐにSquare請求書によって支払われました。ところが、そのとき使われたカード情報が第三者のものだったことが後に判明しチャージバックが発生。身分証とカード名義人の名前の一致を確認しなかったため、十分な反証資料がありません。チャージバックは成立し、Aさんは現金10万円を奪われただけでなく、真正なカード名義人にも10万円を返金しなければなりません。

 

実際にある事例②:

ホステルを経営するBさん。いつも利用しているホテル予約サイトを通じて、海外から半年後の予約が入りました。コロナ禍で来日できるのか不安に思いながらも予約を受け付けましたが、やはり直前になってキャンセル希望の連絡が。返金不可プランであることは明記していたため、Bさんはカードに代金を請求。すると、「不可抗力事態なのだから納得できない」と返金を要求されました。予約時に十分な確認を行わなかったため、反証資料が足りず、結局チャージバックが成立してしまいました。

 

 

4. 意識的な心がけが、売り上げを守る第一歩

ホテル/宿泊施設はその性質上、異議申し立てを受けやすいビジネスですが、日々の業務を工夫することで、不測の事態に備えることができます。

 

Squareは、加盟店さまがより安心して決済を受け付けていただけるよう、セキュリティの強化およびサービスの開発に取り組んでいます。加盟店さまをお守りするため、私たちも共に戦います。

お取引について不審な点や気になる点があった場合は、お気軽にSquareにご連絡ください。担当部署が詳しい内容をお伺いし、解決のお手伝いをさせていただきます。

 

 

5. よくある質問

・資料が十分にあれば必ずチャージバックに勝てるのですか?

チャージバックの最終的な判断はカード会社によって下されるため、必ずしも勝てるという保証にはなりません。しかし、宿泊客の身分証明書と署名入りの確認書類があれば、カード名義人本人が支払ったという強い裏づけとなり、加盟店さまにとって有利な反証ができる可能性が高まります。できる限りの証拠資料を予約時から取得しておくことが後に役立ちます。

 

・エージェントの反証用資料を提出したのに、なぜチャージバックに負けたのですか?

チャージバックが発生した際、加盟店さまと提携する予約代行サイトなどのエージェントから反証用資料が提供されることがあります。しかし、それだけではカード会社が求める十分な証拠資料とならない場合があります。より強い反証を行うために、加盟店さま自ら本人確認を行い、取引の証拠資料を残していただくようお願いいたします。

 

・なぜ不正利用のカードで決済が通るのですか?

カード名義人が盗難や情報漏洩に気づきカード会社に届け出るまでの間、そのカードは引き続き支払いを処理できる状態にあります。そのため、入力されたカード情報が正しければ、決済が成立してしまいます。支払いが完了したからといって、必ずしもカード名義人により取引が承認されたことにはなりません。



以下の関連記事もご参照ください。

Squareサポートページ:

ホテル/宿泊施設におけるノーショーおよびキャンセル料金のチャージバックについて
詐欺や不正使用から身を守るために

支払い異議申し立て一連の流れについて

異議申し立てを避けるには

カード決済を安全に行うには

 

加盟店コミュニティ:
盗難カード利用の被害を防ぐ6つのヒント

​​◆「その注文大丈夫?」‌購入者詐欺への注意喚起と対策

 

その他のお問い合わせはこちらへ:Squareサポート

間宮 −Mamiya
Square コミュニティ管理者
解決策や有用な回答には、ログイン して ベストアンサーとしてマークをクリックしましょう!
4,884件の閲覧回数
メッセージ1/1
不適切なコンテンツを報告
0 返信